未経験の人が日本語教師として働くには、以下のどちらかが必要だと言われます。
1つは、「日本語教育能力検定試験」に合格すること。
もう1つは、文化庁が示した「日本語教師養成のための標準的な教育内容」方針に沿った420時間の講座を修了することです。
日本語教育能力検定試験の合格は独学でも可能ですが、多くの人は通信や通学の講座を利用します。
日本語教師は給料が低いので、できればあまりお金をかけずに日本語教師になりたい人も多いでしょう。
そこで、なるべくお金をかけずに日本語教師として働くための方法を考えました。
1.「独学で日本語教育能力検定試験に合格」
最もお金がかからない方法はこれです。参考書や過去問だけを買えばいいので、費用は1万円程度で済むと思います。
ただし、独学にはデメリットもあります。
まず、時間がかかります。
特に、日本語教育能力検定試験は情報が少ない試験です。過去問を見ればわかるように、問題の解説は全くありません。自分で答えの根拠を探して勉強しなければならないのです。そのため、情報を集める時間を加えると、合格までにはかなりの時間が必要なのです。
さらに、試験は1年に1回だけです。
不合格になったら、また1年後まで待たなければなりません。そのため、今すぐにでも日本語教師として働きたいという人にとっては、不向きです。
2.「職業訓練」
職業訓練(求職者支援訓練)で日本語教師養成の講座があります。多くの講座は文化庁認定の420時間養成講座にも対応しており、修了すればすぐに日本語教師として働けます。
職業訓練なので無料ですし、条件に合えば給付金をもらいながら受講することも可能です。
ただし、私が調べた限りでは、日本語教師の講座が開かれるのは東京などの首都圏が多いです。
また、開かれる講座の数は少なく、さらに応募者が多いので申し込んでも受講できないことがあります。
3.「日本語教育能力検定試験の通信講座」
日本語教育能力検定試験の合格のための通信講座があります。
その中でもアルクの「<検定合格率66.3%>「NAFL日本語教師養成プログラム」」(現在休止中です)が有名です。
この講座を修了した人の合格率は66.3%です。試験の平均合格率は23%ですので、この講座を受講すれば高い確率で合格できます。確実に試験に合格したい人におすすめです。
特に、日本語教育能力検定試験は年に1回しかありませんので、不合格になってしまうと、また来年まで待たなければなりません。
加えて、前にも書いたように、日本語教育能力検定試験は情報が少ない試験です。合格するためには情報をどれだけ手に入れられるかが鍵となると思います。このアルクの講座などを受講すれば重要な情報が手に入りやすいと思います。
4.「通信の420時間養成講座」
通信の420時間養成講座は、通学の講座よりも費用がかからないのがメリットです。
私が調べた限り、一番安いもので約13万円~16万円です。私も以前通信講座を受講しました。
ただし、「通学が主ではない講座の場合は、420時間以上の研修をしたとは認められない」という法務省の見解があり、通信の講座を修了してもそれが認められない可能性があります。
5.「通学の420時間養成講座」
通学の420時間養成講座は、先生から対面で授業が受けられるので、しっかりと勉強や実習ができます。
ただし、一番の問題は費用が高いことです。年間で約50~60万円(かそれ以上)かかります。
最初に書いたように、日本語教師は給料が安いので、50万円以上の金額をかけるのは少しもったいないかもしれません(お金に余裕がある人は別です)。
また、最近は日本語学校が急増していることに伴い、日本語教師の採用条件が厳しくなっています。そのため、通学の講座を修了してもなかなか就職できない人が増えているようです。
以下の記事も参考になります。

「まとめ」
最も費用ががかからない方法は、独学で日本語教育能力検定試験に合格するか職業訓練です。
ただし、独学だと時間がかかりますし、必ず合格できる保証がありません。また、職業訓練も講座が開かれなかったり、定員がいっぱいで受けられない可能性があります。
さらに、最近は採用条件が厳しくなっており、日本語教育能力検定試験に合格するか、大学で日本語教育コース修了と同等以上の履修歴が求められるようになっています。
そのため、通学や通信の420時間養成講座を修了しただけでは就職が難しいケースが増えています。日本語教育能力検定試験に合格するか、大学で日本語教育コース修了と同等以上の履修歴が求められるようになっているからです。
そのため、一番おすすめなのは、アルクの「<検定合格率66.3%>「NAFL日本語教師養成プログラム」」(現在休止中です)です。こちらを受講し、最短で日本語教育能力検定試験に合格するのが一番確実な方法だと思います。