英語を勉強すると、自動詞と他動詞を覚えますが、日本語も同じように自動詞と他動詞があります。
しかし、日本語が母語だと、日本語の自動詞と他動詞をあまり意識することはありません。そこで、日本語の自動詞と他動詞についてまとめてみました。
0.日本語の「自動詞(じどうし)と他動詞(たどうし)とは?」
自動詞は、「~を」という目的語を取らない(「が」+「動詞」の形になる)動詞です。「走る」「泣く」などの動詞です。
他動詞は、「~を」という目的語を取る(「を」+「動詞」の形になる)動詞です。「~を読む」「~を見る」などの動詞です。
動詞には、(1)自動詞と他動詞の両方がある動詞(自他のペア)、(2)自動詞しかない動詞(無対自動詞)、(3)他動詞しかない動詞(無対他動詞)、(4)自動詞と他動詞を兼ねる動詞(自他動詞)がそれぞれあります。
そこで、次にそれらを紹介します。
1.「自動詞と他動詞の両方がある動詞(自他のペア)」
自動詞と他動詞のペアがある動詞(自他のペア)です。
自動詞(~が) | 他動詞(~を) |
落(お)ちる
例:リンゴが落ちる |
落(お)とす
例:リンゴを落とす |
沸(わ)く
例:お湯が沸く |
沸(わ)かす
例:お湯を沸かす |
燃(も)える
例:紙が燃える |
燃(も)やす
例:紙を燃やす |
倒(たお)れる
例:木が倒れる |
倒(たお)す
例:木を倒す |
染(そ)まる
例:服が染まる |
染(そ)める
例:服を染める |
消(き)える
例:字が消える |
消(け)す
例:字を消す |
重(かさ)なる
例:紙が重なる |
重(かさ)ねる
例:紙を重ねる |
見(み)つかる
例:鍵が見つかる |
見(み)つける
例:鍵を見つける |
曲(ま)がる
例:棒が曲がる |
曲(ま)げる
例:棒を曲げる |
乾(かわ)く
例:髪が乾く |
乾(かわ)かす
例:髪を乾かす |
壊(こわ)れる
例:パソコンが壊れる |
壊(こわ)す
例:パソコンを壊す |
切(き)れる
例:紙が切れる |
切(き)る
例:紙を切る |
起(お)きる
例:弟が起きる |
起(お)こす
例:弟を起こす |
2.「自動詞しかない動詞(無対自動詞)」
自動詞しかない動詞(無対自動詞)です。この動詞に他動詞はありません。
自動詞(~が) | 他動詞(~を) |
泳(およ)ぐ | × |
死(し)ぬ | × |
走(はし)る | × |
座(すわ)る | × |
這(は)う | ×(「地を這う」は通過の「を」) |
成長(せいちょう)する | × |
実(みの)る | × |
光(ひか)る | × |
茂(しげ)る | × |
熟(じゅく)す | × |
3.「他動詞しかない動詞(無対他動詞)」
他動詞しかない動詞(無対他動詞)です。この動詞に自動詞はありません。
自動詞(~が) | 他動詞(~を) |
---|---|
× | 疑(うたが)う |
× | 感(かん)じる |
× | 殴(なぐ)る |
× | 断(ことわ)る |
× | なめる |
× | ほめる |
× | 嫌(きら)う |
× | 話(はな)す |
× | 忘(わす)れる |
× | たたく |
4.「自動詞と他動詞を兼ねる動詞(自他動詞)」
1つの動詞の形で自動詞と他動詞を兼ねる動詞(自他動詞)です。
同じ形で「~が」と「~を」の両方が可能(自動詞の主語と他動詞の目的語が同じ)です。
「決定する」「解消する」「開く」などはよく使うと思います。
自動詞(~が) | 他動詞(~を) |
---|---|
分解(ぶんかい)する
例:液体が分解する |
分解(ぶんかい)する
例:液体を分解する |
決定(けってい)する
例:試合が決定する |
決定(けってい)する
例:試合を決定する |
再開(さいかい)する
例:お店が再開する |
再開(さいかい)する
例:お店を再開する |
解消(かいしょう)する
例:ストレスが解消する |
解消(かいしょう)する
例:ストレスを解消する |
開(ひら)く
例:お店が開く |
開(ひら)く
例:お店を開く |
実現(じつげん)する
例:夢が実現する |
実現(じつげん)する
例:夢を実現する |
引(ひ)く
例:水が引く |
引(ひ)く
例:水を引く |
生(しょう)じる
例:気体が生じる |
生(しょう)じる
例:気体を生じる |
吹(ふ)く
風が吹く |
吹(ふ)く
笛を吹く |
運(はこ)ぶ
ことが運ぶ |
運(はこ)ぶ
荷物を運ぶ |
「通過の「を」に注意」
「を」が場所を意味する場合は、他動詞ではなく自動詞となります。
例:猫が庭を走る。
この場合、この「を」は「移動の通過地点」を示すので、走るは他動詞ではなく自動詞です。
をの部分を省略しても問題なければ自動詞です。
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