日本語の「拍・モーラ」と「音節」について紹介します。
拍・モーラと音節は似ているように見えますが、微妙に違うので注意が必要です。
1.拍・モーラ
日本語のリズムの基本的な単位を、拍(はく)またはモーラと言います。
仮名1文字が1拍となります。
たとえば、「ありがとう」は5拍です。
- あ / り / が / と / う
また、「ッ」や「きゅ」「ー」も1拍で数えます。
- ス / ッ / ポ / ン (4拍)
- きゅ / う / り (3拍)
- ス / キ / ー (3拍)
拍と拍の間はすべて同じ長さで発音するのも重要です。
拍には、自立した拍(単独でも発音可能な自立した拍)と非自立的な拍(単独では現れることができず、必ず独立する拍の後にくる拍)があります。
1.自立した拍
単独でも発音可能な自立した拍です。
1.直音(ちょくおん)
「あ」「か」など
2.拗音(ようおん)
「きゅ」「しゅ」「にょ」など。
2文字で1拍です。
- きゅ / う / り /(3拍)
3.濁音(だくおん)
「が」「じゅ」など
4.半濁音(はんだくおん)
「ぱ」「ぴゅ」などです。
5.清音(せいおん)
濁音、半濁音以外の音
2.非自立的な拍
単独では現れない拍です。小さい「ッ」や「ー」などです。特殊拍とも言います。
これらは「1拍」で数えます。
たとえば、「スッポン」は4拍です。
- ス / ッ / ポ / ン (4拍)
1.撥音(はつおん)
「ん」です。「はねる音」ともいいます。1拍で数えます。
- あ / ん / し / ん
2.「促音(そくおん)」
小さい「ッ」や「っ」です。1拍で数えます。
- が / っ / こ / う (4拍)
3.「引く音(ひくおん)」
「ー」のことです。母音を伸ばして発音することです。
1拍で数えます。
- ク / リ / ー / ム(4拍)
2.音節
ひとまとまりに発音される単位です。音節は非自立的な拍(特殊拍)とだけ異なるので注意が必要です。
自立した拍=1音節
自立した拍(直音、拗音、濁音、半濁音、清音)はすべて1拍=1音節となります。
拍と音節が同じです。
- 拍=リ / カ / イ (3拍)
- 音節=リ / カ / イ (3音節)
非自立的な拍(特殊拍)=2拍で1音節
非自律的な拍(特殊拍-撥音、促音、引く音)は、1拍=1音節とはならず、前の拍と一緒になって、2拍で1音節となります。
先生
非自立的な拍は数え方が音節と違うので、注意が必要です。
たとえば、「がっこう」を拍で数えると「4拍」ですが、音節で数えると「2音節」です。
- 拍=が / っ / こ / う (4拍)
- 音節=が っ / こ う (2音節)
撥音
- 拍=あ / ん / し / ん (4拍)
- 音節=あ ん / し ん (2音節)
促音
- 拍=が / っ / こ / う (4拍)
- 音節=が っ / こ う (2音節)
引く音
- 拍=ク / リ / ー / ム (4拍)
- 音節=ク / リ ー / ム (3音節)
まとめ
- 日本語のリズムの基本的な単位を、拍(はく)またはモーラと言う。仮名1文字が1拍。
- 拍には自立した拍(単独でも発音可能な自立した拍)と非自立的な拍(単独では現れることができず、必ず独立する拍の後にくる拍)がある。
- 音節はひとまとまりに発音される単位。
- 自立した拍は1拍で1音節、非自立的な拍(特殊拍-撥音、促音、引く音)は2拍で1音節になる。
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