試験に出るオースティンの言語行為を簡単に紹介します。
オースティンは言語行為を発語行為、発語内行為、発語媒介行為の3つに分類しました。
1.発語行為
伝達を目的として、意味のある文を話すことです。
例:「寒いね」と言うこと
2.発語内行為
発話によって、その意図が聞き手に伝わる行為のことです。
例:「寒いね」と言うことで、(暖房の温度を上げてほしい)依頼すること
ほかに、挨拶、謝罪、注意などがあります。
3.発語媒介行為
発話によって、聞き手(や周りの人)に何らかの行動や感情が結果的に生じる行為のことです。
例:「寒いね」と言うことで、(結果的に)暖房の温度を上げてもらうこと / または「そんなことない」と拒否されること
発語内行為と発語媒介行為の違いが少しわかりにくいですが、発語媒介行為は結果的に生じることです。
また、オースティンは「約束する、命ずる、宣言する」などの動詞を遂行動詞と呼びました。これらの動詞は、発話した時点で行為を行ったことになる動詞です。
間接発話行為
サールはオースティンの研究をさらに発展させ、表面的な言葉の裏にある意味に注目しました。そして、(表面的な発話の持つ機能とは別の)間接的な機能を持つ発話行為のことを間接発話行為と呼びました。
例:教室で学生Aが隣の学生Bに言う。
学生A:あ、シャーペンの芯がない。すいません、シャーペンの芯って持ってますか?
学生B:はい、これ使ってください。たくさんあるんで。
*「シャーペンの芯って持ってますか?」は、「疑問」の機能のほかに、間接的に「依頼」の機能があります。
例:インターネットに熱中している子どもに親が言う
親:もう11時だぞ。
子ども:はい。お休みなさい。
*「もう11時だぞ。」は断定の機能のほかに、間接的に「命令」(早く寝なさい)の機能があります。
テスト
[WpProQuiz 38]