日本語の「のに」と「けど」は、どちらも逆接の意味があります。
そこで、「のに」と「けど」の違いを紹介します。
のに
接続:動詞 / イ形容詞 / ナ形容詞 /名詞の普通形 + のに
*ナ形容詞と名詞は「なのに」になる / 丁寧形には用いない(~食べました のに)
形:A (な)のに B
1.事実的な逆接に用いられる
「~のに」は「事実的な逆接」に用いられます。
前の内容から予想されることとは違うことが後の内容で成立します。
例:
- ご飯を 食べた のに すぐお腹がすきます。(動詞)
- この服は 安い のに 高く見えます(イ形容詞)
- この海水浴場は、水が きれいな のに 人が少ないです。(ナ形容詞―「きれい」はナ形容詞)
- 彼はまだ 小学生な のに しっかりしています。(名詞)
2.驚きや不満を表現
「のに」は「驚きや不満」が表現されるのが特徴です。
3.後ろに命令・依頼・意志、話し手の判断が来ない
「のに」は後ろに「命令・依頼・意志、話し手の判断」が来ません。
*ただし、「禁止の表現(~しないでほしい)」の場合は可能です。
- 緊急事態宣言中な のに、マスクもせずに出かけるな
けど
接続:動詞 / イ形容詞 / ナ形容詞 /名詞の普通形・丁寧形 + けど
形:A (だ / です)けど B
*ナ形容詞と名詞は「だ / です けど」になる
1.事実的な逆接に用いられる
事実的な逆接に用いられます。前の内容から予想されることとは違うことが後で成立します。
- けんかした けど、仲直りしました。(動詞)
- このバッグは、小さい けど たっぷり入ります。(イ形容詞)
- ルールは 複雑だ けど、やってみたら簡単です。(ナ形容詞)
- 日本人だ けど 日本語が苦手です。(名詞)
2.驚きや不満は表現されない
ただし、「のに」のように驚きや不満は表現されないのが特徴です。
3.後ろに命令・依頼・意志、話し手の判断が来る
「けど」は「のに」と違い、後ろに命令・依頼・意志、話し手の判断が来ます。
- 大好きな彼氏と 別れた けど、もう一度やりなおしたいです。
まとめ
のに | けど | |
---|---|---|
意味 | 事実的な逆接 | 事実的な逆接 |
驚きや不満 | 〇 | × |
後ろに命令・依頼・意志、話し手の判断 | × | 〇 |