日本語教育能力検定の参考書に「VT法(verbo tonal system/ ヴェルボ・トナル法)」が出てきます。
音声矯正に有効な指導法です。そこで、VT法を紹介します。
VT法(ヴェルボ・トナル法)の概要
言語を習得する際に、言葉の持つリズムやイントネーションを大切にして、聴覚以外の視覚・触覚などの感覚を活用する発音指導法です。ザグレブ大学のペタル・グベリナ教授が提唱しました。
そして、これは言調聴覚論に基づいています。言調聴覚論は以下のような理論です。
人間の脳が音声言語をどのように聴き取り、生成するのかといった聴覚の機能とその原理、またそこに存在する法則性は何か、などについて述べた言語理論
音声は、聴覚器官で聴き取り、調音器官で生成されるだけではありません。同時に身体全体(骨、腱、筋肉、皮膚)が楽器のように振動します。その振動が身体各部分を通して聴覚器官に伝達され、音声として認識されるのです。すなわち、身体全体が重要な役割を果たしているわけです。
簡単に言うと、発音を習得する際に、体を動かしながら覚えるということだと思います。
*ちなみに、日本語教育能力検定試験の参考書ではVT法を「Verbo-Tonal System」と書いていますが、これは「言調聴覚論」の意味で、VT法の訳としては「Verbo-Tonal Method」のほうが近いと思われます。
VT法(ヴェルボ・トナル法)の方法
身体を緊張・弛緩させることで発音を矯正したり、体を使ったリズム運動によってイントネーションを矯正したりします。
具体的な実践例は以下の動画がわかりやすいです。