日本語教育能力検定試験では、「重箱読み(じゅうばこよみ)」についての問題が出ることがあります。中学校の国語で勉強するようですが、忘れてしまった人も多いと思います。
そこで、重箱読みを簡単に紹介します。
1.「重箱読みとは?」
前が音読み(おんよみ)で、後が訓読み(くんよみ)の熟語です。
漢字の熟語は、音読み+音読みと訓読み+訓読みで読むことが多いです。そのため、重箱読みは例外的な読み方です。
たとえば、「重箱(ジュウばこ)」は、「重(ジュウ)」が音読みで、「箱(ばこ)」が訓読みです。
ほかに、「縁組 (エンぐみ) 」や「献立 (コンだて) 」などがあります。
以下、重箱読みの例です。
- 重箱(ジュウばこ)
- 縁組 (エンぐみ)
- 献立 (コンだて)
- 台所(ダイどころ)
- 額縁(ガクぶち)
- 客間(キャクま)
- 金星(キンぼし)
- 残高(ザンだか)
- 桟橋(サンばし)
- 雑木(ゾウき)
2.「湯桶読み(ゆとうよみ)とは?」
また、逆に前が訓読み(くんよみ)で、後が音読み(おんよみ)の熟語は「湯桶読み(ゆとうよみ)」です。
たとえば、「朝晩(あさバン)」は、朝(あさ)が訓読みで、晩(バン)は音読みです。
湯桶読みの例は以下です。
- 朝晩(あさバン)
- 雨具(あまグ)
- 豚肉(ぶたニク)
- 鶏肉(とりニク)
- 油絵(あぶらエ)
- 場所(ばショ)
- 見本(みホン)
- 敷金(しきキン)
重箱読みと湯桶読みの見分け方は?
それでは、重箱読みと湯桶読みの見分け方はあるのでしょうか?
これは、音読みと訓読みを理解していないと難しそうです。そこで、音読みの特徴を紹介します。
「音読みの特徴」
音読みは、昔の中国の発音に由来する読み方です。その一方で、訓読みは日本の読み方です。
以下、音読みの特徴を紹介します。
1.「聞いただけでは意味がわからない」
草という漢字は、音読みが「ソウ」で、訓読みが「くさ」です。
訓読みの「くさ」は聞いただけで意味がわかります。しかし、音読みの「ソウ」は聞いただけでは意味がわかりません。
聞いて意味がわかれば訓読み、意味がわからなければ音読みです。
2.「2文字目が「イ」「ウ」「ツ」「ク」「チ」「キ」「ン」のどれか」
音読みは、2文字目が必ず「イ」「ウ」「ツ」「ク」「チ」「キ」「ン」のどれかになるようです。
たとえば、先ほど紹介した重箱読みの例を見てみると、音読みの部分は2文字目がすべて「イ」「ウ」「ツ」「ク」「チ」「キ」「ン」のどれかになっています。
- 重箱(ジュウばこ)→ジュウ
- 縁組 (エンぐみ) →エン
- 献立 (コンだて) →コン
- 台所(ダイどころ)→ダイ
- 額縁(ガクぶち)→ガク
- 客間(キャクま)→キャク
- 金星(キンぼし)→キン
- 残高(ザンだか)→ザン
- 桟橋(サンばし)→サン
- 雑木(ゾウき)→ゾウ
特に、「ン」で終わるものは、音読みであることが多いようです。
ほかに、2文字目が小さい「ゃ」「ゅ」「ょ」で終わるのも音読みです。
*ただし、訓読みにも2文字目が同じ言葉で終わるものがあるので、注意が必要です。
以上の点からある程度見分けることができるかもしれません。
重箱読みと湯桶読みのまとめ
重箱読み(じゅうばこよみ) | 湯桶読み(ゆとうよみ) | |
意味 | 音読み+訓読み | 訓読み+音読み |
例 |
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