外国語教授法の一つに、文法訳読法(GTM、Grammar–translation method)があります。
この文法訳読法を簡単に紹介します。
文法訳読法の概要
文法訳読法は、ギリシャ語とラテン語を教える古典的な(伝統的)方法から派生した外国語を教える方法です。
19世紀半ばから20世紀半ばにかけて外国語教授法の主流となりました。
文法訳読法の目標
2つの目標があります。1つは、学習する言語で文学を読めるレベルまで生徒の読解力を伸ばすことです。もう1つは、学生の知的発達を高めることです。
文法訳読法の方法
文法訳読法の授業は通常、生徒の母国語で行われます。
文法規則は演繹的に学習されます。 まず、学生は文法規則を機械的に暗記し、次にドリルで文法を練習し、一文を母語に翻訳します。
翻訳する文の内容よりも翻訳する文の形式に注意が向けられます。
学生がより高度な達成レベルに到達すると、文全体を翻訳することもあります。
通常、リスニングやスピーキングの練習は行われず、発音や言語の伝達的な側面にはほとんど注意が向けられていません。
文法訳読法の利点
読解力が身につき、独学にも応用可能です。
また、授業は母語で行うので教師は学習する言語が話せなくても教えられ、負担が少ないです。
文法訳読法の欠点
読み書きに焦点が当てられるため、スピーキングとリスニングの能力が身に付きません。
また、現代の学者からは正当な言語教育方法として認められていないと言う意見もあります。
まとめ
- 19世紀半ばから20世紀半ばにかけて外国語教授法の主流
- 目標は、学習する言語で文学を読めるレベルまで生徒の読解力を伸ばすこと、学生の知的発達を高めること
- 利点は、読解力が身につき、独学にも応用可能。学習する言語が話せなくても教えられるので、教師の負担が少ない
- 欠点は、スピーキングとリスニングの能力が身に付かない。