「取り立て助詞」は、文中のある語句を際立たせたり、それ以外のものを暗示させる効果があります。
たとえば、「野菜 も 食べる」と取り立て助詞の「も」を使うと、野菜だけでなく、野菜以外のもの(肉など)も食べる意味になります。
- 野菜 を 食べる(野菜を食べる)
- 野菜 も 食べる(野菜だけでなく野菜以外のもの(肉など)も食べる)
取り立て助詞には、も、さえ、でも、だけ、ばかり、しか、など、くらい等があります。
取り立て助詞
も
取り立て助詞「も」は、「複数(並列)」「意外」「量が多い」「やわらげ」を表します。
- 野菜 も 食べなさい(複数(並列))
- インド人 も びっくり(意外)
- お客さんが100人 も 来た(量が多い)
- 暮れ も 押し迫ってまいりました(やわらげ)
さえ
取り立て助詞「さえ」は、「極端(ふつう起きないことが起きる)」「十分(ことがらを成り立たせる最低限のもの)」を表します。
- この不況で大企業 さえ 倒産するかもしれない(極端(ふつう起きないことが起きる))
- 愛 さえ あればそれでいい(十分(ことがらを成り立たせる最低限のもの))
でも
取り立て助詞「でも」は、「例示」「ことがらを成立させる最低限のもの」「極端」を表します。
- コーヒー でも 飲みませんか?(例示)
- はんこがなければ、サイン でも かまいません。(ことがらを成立させる最低限のもの)
- そんなことは子ども でも できるよ(極端)
ばかり
取り立て助詞「ばかり」は「量や回数が多い」ことを表します。
- 彼は勉強せずにゲーム ばかり している。
だけ、しか
取り立て助詞「だけ」「しか」は限定を表します。
「しか」は「ない」と結びつき、否定的な文で使います。
- 今 だけ 無料!
- 昨日は仕事が忙しくて3時間 しか 寝れなかった。
など、くらい
取り立て助詞「など」「くらい」は、「それ以外のものを暗示する(その中で最低限である)」表現です。
- 英語 くらい できて当たり前(他のいろいろなものを暗示してその中で最低限であることを表現)
「など」と「くらい」は置き換え可能ですが、文によって置き換えられない場合もあります。