日本語教育能力検定試験によく出てくる「動詞」の分類のまとめです。
「動詞の分類」
1.「第一グループ・第二グループ・第三グループの動詞」
動詞を「活用」で分類します。
それぞれ、第一グループの動詞は「五段活用動詞」、第二グループの動詞は「一段活用動詞」、第三グループの動詞は「不規則活用動詞」に当たるようです。
- 第一グループ=「五段活用動詞」(「飲む」など)
- 第二グループ=「一段活用動詞」(「食べる」など)
- 第三グループ=「不規則活用動詞」(「来る」「する」)
以下の記事も参考になります。
2.「動態動詞・状態動詞」
動詞を「動態動詞」と「状態動詞」で分けます。
「動態動詞」
動態動詞は「動きを表す」動詞です。現在形は「未来」を表します。
例:「走る」「食べる」
「状態動詞」
状態動詞は「状態を表す」動詞です。現在形は「現在」を表します。
例:「ある」「いる」
「(二格ー)ガ格」の文型
状態動詞は「(二格ー)ガ格」の文型を取るのも特徴です。
例:山に家がある。
「ある」の非状態動詞の用法
状態動詞「ある」には「非状態動詞の用法」もあります。
例:今度、野球の試合がある。
3.「意志動詞・無意志動詞」
動詞を「意志」と「無意志」で分けます。
「意志動詞」
例:「食べる」「書く」「歩く」「走る」
「無意志動詞」
例:「降る」「輝く」「ある」「わかる」「聞える」「できる」「読める」
ちなみに、無意志動詞は「~て(で)」の形で、願望を表します。たとえば、「(天気が)晴れて!」。「テ形命令」が願望を表します。
4.「他動詞・自動詞」
「他動詞」
例:「ドアをあける」
自動詞
例:「ドアがあく」
以下の記事も参考になります。
5.「能動詞(のうどうし)・所動詞(しょどうし)」
動詞を「受け身を作れる・作れない」で分類する方法です。三上章が提唱した分類です。能動詞は受身を作れます。所動詞は受身を作れません。
「能動詞(受け身を作れる)」
例:「食べる(〇食べられる)」「飲む(〇飲まれる)」
「所動詞(受け身を作れない)」
例:「ある」「できる」「見える」「消える」など
6.「本動詞・補助動詞」
動詞を「本動詞」と「補助動詞」で分ける分類方法です。
「本動詞」
本動詞は、「文をまとめる役割をしている(=述語の中心)」動詞です。
例:食べる
「補助動詞」
補助動詞は、「補助的な役割をしている」動詞です。動詞の連用形+「て(で)」形の後につきます。
例:「いる」「ある」「いく」「くる」「しまう」「おく」
7.「単純動詞・複合動詞」
「単純動詞」
例:取る
「複合動詞」
複合動詞は、「複数の動詞(動詞+動詞)でできている」動詞です。
例:「取り出す」「愛し合う」「遊び歩く」「歩き出す」「言い当てる」「生き返る」「抱き合う」「入れ替える」「抱き合う」「打ち切る」
8.「授受動詞」
例:「あげる」「くれる」「もらう」
9.「移動動詞」
例:「行く」「飛ぶ」「渡る」
10.「相互動詞」
「~と・・・する」という形をとる動詞です。「~と」は「~と一緒に」と置き換えることができません。
例:「並ぶ」「争う」「競争する」「戦う」「仲良くする」「結婚する」「議論する」「戦争する」「けんかする」など
以下の記事も参考になります。
まとめ
以上をまとめると、動詞の分類は以下になります。
- 「第一グループ・第二グループ・第三グループの動詞」
- 「動態動詞・状態動詞」
- 「意志動詞・無意志動詞」
- 「他動詞・自動詞」
- 「能動詞・所動詞」
- 「本動詞・補助動詞」
- 「単純動詞・複合動詞」
- 「授受動詞」
- 「移動動詞」
- 「相互動詞」
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