ピジン、クレオール、ダイグロシアについてまとめました。
日本語教育能力検定試験に時々出題されます。
どれも微妙に似ているので注意が必要です。
1.ピジン(pidgin language)
言語の違う人たちが意思疎通を図るため、お互いの言語の要素を取り入れて作られた補助言語です。
ピジンの特徴は、(1)文法が単純、(2)音韻や語彙が少ない、(3)書き言葉がない、などがあります。
基本的にピジンは特定の目的のために作られた言語のため、これを母語とする人はいません。
そして、ピジンが母語となったものが クレオール です。
日本には「横浜ピジン日本語」などがあります。これは、横浜市で19世紀後半に外国人と日本人との会話に用いられたピジン語です。
- 意思疎通を図るための補助言語
- 文法が単純
- 音韻や語彙が少ない
- 書き言葉がない
2.クレオール(creole language)
ピジン言語が定着し、母語化した言語のことです。
ピジンと違い、完成された言語です。
日本だと、英語と日本語のクレオール言語である「小笠原語」があります。
- ピジン言語が母語化した言語
3.ダイグロシア(diglossia)
社会に2つの言語変種(「標準語」と「方言」など)があり、社会的な場面に応じて使い分ける現象のことです。
社会言語学の用語で、アメリカのファーガソンが最初に提唱しました。言語の使い分けは「コード切り替え(code-switching)」とよばれます。
たとえば、ニューヨークのヒスパニック社会では、多くの人々がスペイン語と英語を話します。彼ら/彼女らは、社会的状況やその場の必要性に応じて英語とスペイン語を使い分けています(家ではスペイン語、職場では英語など)。
また、3つ以上はポリグロシアと言います。
- 2つの言語変種(標準語と方言など)を場面に応じて使い分ける現象
- 3つ以上はポリグロシア
まとめ
- ピジンは言語の違う人たちが意思疎通を図るため、お互いの言語の要素を取り入れて作られた補助言語
- クレオールはピジン言語が定着し母語化した言語
- ダイグロシアは社会に2つの言語変種(標準語と方言など)があり、社会的な場面に応じて使い分ける現象
- 3つ以上はポリグロシア
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