語構成には、「狭義の語構成」と「広義の語構成」があります。
狭義の語構成 | 広義の語構成 | |
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意味 | どのように組み立てられているかを考える | 狭義の語構成に造語法を足して考える |
最初に狭義の語構成、次に広義の語構成について紹介します。
1.「狭義の語構成」
狭義の語構成には、「単純語」と「合成語」があります。
1.「単純語」
単純語は、単一の成分からできている語で、それよりも小さく分解できないものです。
例:「朝」「父」など
2.「合成語」
合成語には、「複合語」「畳語(じょうご)」「派生語」の3つがあります。
1.「複合語」
複合語は、語を分解したときに、それぞれの要素が自立できるものです。
「朝日」は、「朝」と「日」に分解でき、それぞれが自立的(このような要素を「五基」という)です。
また、複合語には、「統語構造」と「並列構造」があります。
複合語 | ||
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統語構造 | 並列構造 | |
意味 | 主述関係や、修飾被修飾関係など、文法的な関係が認められるもの | 要素同士が対等で、文法的な関係が認められないもの |
例 | 草木、赤白、田畑 |
2.「派生語」
派生語は、「それだけで意味を持つ語(自立している語)」と、「それだけでは意味をもたない語(自立していない語)」が結びついたものです。
「お湯」は、「お」はそれだけでは意味を持たない語、「湯」はそれだけで意味を持つ語です。そのため、お湯は派生語です。
お湯 = お(それだけでは意味を持たない語) + 湯(それだけで意味を持つ語)
→派生語
また、それだけは意味を持たない語の中には、自立的な成分に必ずつく要素があります。それを「接辞」といいます。
また、接辞の中には、「接頭辞」と「接尾辞」があります。
派生語 | ||
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接頭辞 | 接尾辞 | |
意味 | 自立的な要素の前につく要素 | 自立的な要素の後につく要素 |
例 | 「お」「不」 | 「様」「たち」 |
3.「畳語(じょうご)」
畳語は、同じ単語を繰り返した言葉です。「人々」などが畳語です。
畳語の役割には以下があります。
- 「意味を強める」
- 「事物の複数を示す」
- 「動作や作用の反復・継続」
また、繰り返される語が漢字1文字の場合は、2文字目は「々」で略記されます。
例:「山々」「人々」「国々」「村々」「我々」「ほのぼの」「知らず知らず」「またまた」「はやばや」「たまたま」
「広義の語構成」
広義の語構成は、狭義の語構成に造語法をプラスさせたものです。
「造語法」とは、単語の作られ方のことです。造語法にはパターンがいくつかあります。
「造語法」
- 語根創造=新たに創造すること
- 合成=2つ以上の要素を合体させること
- 混淆(こんこう)=複数の語が混ざってしまうこと。「やぶる」と「さく」から「やぶく」ができたような変化を指す
- 借用=ほかの言語などから借りてくる方法
- 縮約=「ラーメン二郎」を「二郎」などとする現象
- 文字による造語=「只」から「ロハ」を作るなどの方法
- 逆成=派生したように見える形からより基本的と思われる形を生み出してしまう現象。例:「もくろみ」から「もくろむ」を作る。
試験のポイント
試験のポイントは以下になるようです。
- 単純語か合成語か
- 複合語か派生語か
- 統語関係か並列関係か
- 並列ならば、要素同士の関係が、類義か反義か、など
- 全体の品詞性(その後の品詞は何か)
- 要素の品詞性(要素の個々の品詞性)
- N+V構造のときなどに、要素の関係(助詞はどうか、意味役割はどうか、などを観察)
- その後の意味範囲(モノか、ヒトか、コトか)
試験によく出る範囲
この中でも、6の「要素の品詞性」と7の「要素の関係」がよく出るそうです。
要素の品詞性
要素の品詞を、以下の品詞から判定するという問題
- N=名詞
- V=動詞
- A=イ形容詞
- NA=ナ形容詞
- AD=副詞
例:「山登り」は、「山」=N(名詞)と、「登り」=V(動詞)になる。N+V。
要素の関係
要素がN(名詞)+V(動詞)構造のときに、要素同士の関係(意味役割)を答える問題
例:「里帰り」=NでV(到着点の「に」)の関係
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