ローマ字のまとめです。試験にも時々出ます。
最近では平成27年度日本語教育能力検定試験でローマ字の問題が出題されています。
ローマ字の種類
ローマ字には、ヘボン式、日本式、訓令式の3つがあります。
1.ヘボン式
アメリカの宣教師・医師のジェームス・カーティス・ヘボンが考案したものです。
これは、ヘボンが作った初の和英辞典『和英語林集成』での日本語の表記法が元になっています。
音声学的に違う場合は、違うつづりを採用しています。たとえば、ta、chi、tsu、te、toなど、実際の音を正確に推測しやすいのが特徴です。
現在最も多く用いられているローマ字の表記法です。
2.日本式
1885年に物理学者の田中舘愛橘(たなかだてあいきつ)が考案した表記法です。
五十音図に基づいて、子音と母音の組み合わせでつづりを決めます。
五十音図に沿って作られるので、日本式は、音韻論的であるといえます。
3.訓令式
ローマ字のつづり方の統一を目指して、1937年に第1次近衛内閣が発した内閣訓令で定められた公的なローマ字法です。
訓令式という名前はここから来ています。
日本式ローマ字を基礎として、それに若干の改変を加えたローマ字表記法です。
日本の小学校の多くで教えられており、国際標準化機構による採用(ISO 3602という国際基準)や、学術論文、パスポートでもこちらを使います。
ローマ字の決まり
1954年に「ローマ字のつづり方」という内閣告示・訓令が出ています。
こちらでは訓令式を優先すると書かれています。
ヘボン式と日本式・訓令式の違い
ヘボン式と日本式・訓令式では「し、ち、つ、ふ、じ、しゃ、じゃ」が違います。
ヘボン式 | 日本式・訓令式 | |
---|---|---|
し | shi | si |
ち | chi | ti |
つ | tsu | tu |
ふ | fu | hu |
じ | ji | zi |
しゃ | sha | sya |
じゃ | ja | zya |
日本式と訓令式の違い
日本式と訓令式では「ぢ、づ」が違います。
日本式 | 訓令式 | |
---|---|---|
ぢ | di | zi |
づ | du | zu |