ダイレクトメソッド(直接法)とその関連する教授法を紹介します。
ダイレクトメソッド(直接法)
ダイレクトメソッドは、20世紀初め、ヨーロッパで外国語教育における公認された教授法です。
特徴は「音声を重視する」「語彙や文法は文脈の中で帰納的に理解する」です。
良い点としては、音声面での学習達成が期待できます。悪い点としては、学習者の理解が十分にならない可能性があります。
これは広義の意味では、学習者の母語を使わず学習する外国語だけを使って教えることを指します。日本語を学習する外国人の生徒に日本語で教えるということです。「直接法」と呼ばれるものですね。多くの人はこちらの意味のほうがよく聞いたことのあるものではないでしょうか。
- 「音声を重視」
- 「語彙や文法は帰納的に理解」
- 「音声能力向上」
- 「学習者の理解が不十分」
- 「直接法」
オーラルメソッド
オーラルメソッドは、応用言語学者のパーマーによって提唱された教授法です。
ダイレクトメソッドの欠点を応用言語学の理論で補い、話し言葉や帰納的理解を重視しています。
指導方法は、絵カードなどを利用して視覚的に学習したり、反復と代入を中心とした口頭練習をおこなったりするのが特徴のようです。
良い点は、音声面の能力の向上が期待できます。悪い点は、理解に時間がかかります。
「長沼直兄」が日本に導入
また、日本人の長沼直兄(なおえ)がこのオーラルメソッドを日本に導入しました。これが日本における直接法の指導の原点となったそうです。
長沼直兄は「問答法」を編み出したことでも有名です。「ナガヌマ・メソッド」とも呼ばれます。これは教師が学習者にい質問をし、答えを引き出すことで会話を進めながら新しい学習を行うというもののようです。長沼スクールという日本語学校の創設者でもあります。
- 「パーマー」
- 「ダイレクト・メソッドの欠点を補う」
- 「音声能力向上」
- 「理解に時間がかかる」
- 「長沼直兄」
- 「問答法」
アーミーメソッド
アーミーメソッドは、構造言語学と行動心理学を理論的基盤にしています。講義を行う言語学者と、訓練を行うインフォーマントによる、ティームティーチングで行います。
目標は学習言語を話せるようになることです。徹底した反復練習が特徴で、学習が単調になったり、緊張を強いられます。
- 「ティームティーチング」
- 「徹底した反復練習」
- 「学習が単調/緊張を強いられる」
オーディオリンガルメソッド
オーディオリンガルメソッドは、アーミーメソッドの流れを受け継いだ教授法で、アーミーメソッドをより一般的なものに改良したものです。
教材や学習・練習法
オーディオリンガルメソッドの学習は「LL(ランゲージ・ラボラトリー)」と呼ばれる、教育機器を利用した語学演習室を利用します。
学習・練習方法は「ミム・メム(mim-mem)練習」「パターン・プラクティス」「ミニマル・ペア(最少対立)」などが特徴です。
「ミム・メム(mim-mem)練習」は、教師などのモデルを模倣し、暗記し、記憶にとどめるために何度も反復をする模倣練習です。
- 「アーミー・メソッドの流れを受け継ぐ」
- 「LL(ランゲージ・ラボラトリー)」
- 「ミム・メム(mim-mem)練習」
- 「パターン・プラクティス」
- 「ミニマル・ペア(最少対立)」