言語類型論には、「形態的類型論」と「統語的類型論」があります。
「形態的類型論」
形態的類型論から見た言語のタイプは以下です。
1.「膠着語(こうちゃくご)」
単語に「助詞」や「助動詞」などをくっつけて文章を作るタイプ。切れ目がはっきりしているのが特徴です。
日本語や韓国語が膠着語になります。
例:「日本語」、「韓国語」、「モンゴル語」、「トルコ語」など
2.「屈折語(くっせつご)」
単語の一部(語尾が多い)を変化させることで意味を変えるタイプです。
境界がはっきりしないのが特徴です。
例:「ラテン語」、「ギリシャ語」
ラテン語の格変化:息子「filius」
filius(息子は・が)/filii(息子の)/filio(息子に)/filium(息子を)/filio(息子で・から)/fili(息子よ)
3.「孤立語(こりつご)」
語形の変化がないタイプです。語順に頼ります。
時間(過去・現在・未来)を表すには、文脈や「明日」「昨日」などの副詞で判断されます。
代表的なのが「中国語」です。
例:中国語
膠着語、屈折語、孤立語の例
名詞の語形変化
主格(1人称/3人称) | 目的格(1人称/3人称) | |||
---|---|---|---|---|
膠着語 | 私が / 彼が | 私を / 彼を | ||
屈折語 | I / he | me / him | ||
孤立語 | 我 / 他 | 我 / 他 |
動詞の語形変化
現在(非過去) | 過去 | |||
---|---|---|---|---|
膠着語 | 行く | 行った | ||
屈折語 | go | went | ||
孤立語 | 去 | 去 |
「統語的類型論」
統語的類型論は、「S(主語)」「O(目的語)」「V(動詞)」という三つの要素の配列という観点からの類型のことです。
世界の言語の80%は、「SOV」か「SVO」のタイプに分類されます。
「SOVタイプの言語」
日本語、韓国語、モンゴル語、トルコ語、ヒンディー語など
「SVOタイプの言語」
中国語、英語、タイ語、ドイツ語、スペイン語、フランス語、イタリア語など
主要部後行型と主要部先行型
SVOは主要部後行型、SVOは主要部先行型となる。
例:
学校「で」(でが後ろに来ているので、主要部後行型)
「at」 school(atが前に来ているので、主要部先行型)
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