日本語の形態素(けいたいそ)に関するまとめです。
日本語教育能力検定試験にもよく出題されます。
「形態素」
日本語の形態素(けいたいそ)とは、意味を担う最小の単位で、それ以上分けられないものです。
たとえば、「山桜」という単語は、「やま(yama)」と「さくら(sakura)」の形態素に分けられます。
「異形態」
異形態(いけいたい)とは、同じ形態素であるものが、それが現れる環境・条件により異なる音形となるものです。異なる音になるというのがポイントでしょうか。
たとえば、山桜は、「yama(やま)」と「sakura(さくら)」の形態素で成り立っていますが、読むときは「yamazakura(やまざくら)」となり、音型が異なります。
例:
- 「山桜」→「yama」+「sakura」=「yamazakura」
- 「雨傘」→「ame」 +「kasa」 =「amagasa」
「自由形態素」と「拘束形態素」
「自由形態素」
自由形態素(じゆうけいたいそ)は単独で語になるものです。
例:「水」
「拘束形態素」
拘束形態素(こうそくけいたいそ)は単独では語にならないものです。
例:「お水」の「お」、「お話」の「お」
「語幹」と「接辞」
「語幹」
語幹(ごかん)は語尾が変化する語の、変化しない部分のことです。
たとえば、「食べる」の「食べ」の部分です。
例:
- 食べる=「tabe」(語幹)+ 「ru」(接辞)
「接辞」
接辞(せつじ)は語幹の前や後ろについて、言葉の意味を変化させたり補ったりする言葉のことです。
たとえば、「食べる」の「る」の部分です。
接辞は「過去」「否定」「受身」「使役」などの文法的機能を担っています。
例:
- 「食べる」=「tabe」(語幹)+ 「ru」(接辞)
- 「食べない」=「tabe」(語幹)+ 「nai」(接辞)
「接頭辞」と「接尾辞」
「接頭辞」
接頭辞(せっとうじ)は語幹の前につく接辞のことです。接頭語とも言います。
たとえば、「超」「真っ」などがあります。
例:
- 「超」:超 + 能力 = 超能力
- 「真っ」 :真っ + 白 = 真っ白
- 「お」:お + 母さん = お母さん
「接尾辞」
接尾辞(せつびじ)は語幹の後ろにつく接辞のことです。接尾語とも言います。
たとえば、「っぽい」「-さ」などがあります。
例:
- 「っぽい」:安 + っぽい = 安っぽい
- 「-さ」:深 + さ = 深さ
- 「-さん」:鈴木 + さん → 鈴木さん
「派生接辞」と「屈折接辞」
「派生接辞」
派生接辞(はせいせいつじ)は意味や品詞を変換する接辞のことです。たとえば、「~的な」という派生接辞は名詞から形容動詞を作ります。
例:
- 日本→日本的な(~的な (名詞から形容動詞をつくる))
- 世界→世界的な
「屈折接辞」
屈折接辞(くっせつせつじ)は活用語尾のことです。「~た」「~ば」などです。
例:
- 書く→書いた
- 書く→書けば
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