日本語教師になると、テストを作る機会が必ずあります。
そこで、テストの作成方式を紹介します。
客観テストと主観テスト
テストには、客観テストと主観テストがあります。
客観テストは、決まった答えが1つしかないテスト、主観テストは決まった正答が特にないテストです。
客観テスト
客観テストには、再認方式と再生方式の2つがあります。
再認形式は、正しいものを選択する方法です。
再生形式は、選択肢なしで書き入れる方法です。
再認形式
再認形式には、1.真偽法、2.多肢選択法、3.組合せ法、4.配列法の4つがあります。
1.真偽法
いわゆる〇×問題です。
例:正しいものには○、正しくないものには×をつけよ。
2.多肢選択法
いくつかの選択肢を与えて、その中から適当なものを選択させる方法のことです。
マークシート方式の試験はすべてこの方法で行われています。
例:次の中から正しいものを一つ記号で選べ。
3.組合せ法
複数の語の中から、正しい語の組合せを選ぶ方法です。
4.配列法
語を正しい順に並べる方法です。
再生形式
再生形式には、1.単純再生法、2.訂正法、3.完成法、4.質問文作成法、5.質問法、6.変換法、7.翻訳法、8.綴り法、9.クローズ法の9つあります。
1.単純再生法
空欄にあてはまる語を書かせる穴埋め問題のことです。
2.訂正法
誤りを探させる方法です。
例:次の文の間違いに下線を引き、それを訂正せよ。
3.完成法
未完の文を完成させる方法です。
例:次の空欄に適語を埋めて文章を完成せよ。
4.質問文作成法
答えを与えてそれに合う質問文を答えさせる方法です。
5.質問法
文章の内容に関する質問に答えさせる方法です。
6.変換法
指示を与えて答えを書かせる方法です。いくつか種類があります。たとえば、例を示して、形容詞を例と同じような形に変えさせます。
7.翻訳法
日本語または母語に訳させる方法です。
8.綴り法
仮名、漢字を読み書きさせる方法です。
9.クローズ法
文章から特定の単語を抜いて空欄にし、そこにあてはまる言葉を書かせる方法です。
主観テスト
主観テストは、決まった正解のないテストです。
作文や会話のテストのように、採点者が一定の基準(採点基準)にもとづいて評価をします。
学生のパフォーマンスを総合的に評価できるのが利点である一方、採点者の主観が影響しやすいのが欠点です。
また、客観テストと比べると問題作成が容易であるのも特徴です。
例:
- 書くテストー作文、小論文、要約など
- 話すテストー会話、ロールプレイ、スピーチ、プレゼンテーションなど
まとめ
- 客観テストは、決まった答えが1つしかないテスト
- 客観テストには、再認方式と再生方式がある
- 再認方式は、真偽法、多肢選択法、組合せ法、配列法の4つ
- 再生方式は、単純再生法、訂正法、完成法、質問文作成法、質問法、変換法、翻訳法、綴り法、クローズ法の9つ
- 主観テストは、決まった正答が特にないテスト
- 主観テストは、学生のパフォーマンスを総合的に評価できるのが利点である一方、採点者の主観が影響しやすいのが欠点
- 主観テストには、作文、小論文、要約、会話、ロールプレイ、スピーチ、プレゼンテーションなどがある