中世の日本では、オ行の長母音(オー)には2種類あり、区別されていました。
それぞれ、「開音」のオーと「合音」のオーです。
開音
開音は、a+u(あう)由来のオーです。
合音
合音はo+u(おう)またはe+u(えう)由来のオーです。
現代のオーに近いのは合音で、開音は合音よりも大きく口を開きます。
ポルトガル人宣教師ジョアン・ロドリゲスの『日本大文典』においては、「開音」の「オー」を「ŏ」、「合音」の「オー」を「ô」と区別しています。
その後、開音と合音が一つのoːに統合したと言われています。
現代でも一部の方言では開合の区別が行われているそうです。
開音 | 合音 |
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参考記事:中国資料に見られるオ段長音の開合の音価と統合 / フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 / 中世日本語