日本語教育能力検定試験では、たくさんの外国語教授法が出題されます。
たくさんあるので混乱してしまうことも少なくありません。そこで、外国語教授法をまとめました。
1.文法訳読法:19世紀半ば~20世紀半ば
文法訳読法は、19世紀半ばから20世紀半に主流だった外国語教授法です。
読解力の養成が目的で、独学がしやすいのが特徴です。欠点は、音声面の能力が身につかないことです。
2.ナチュラル・メソッド、ダイレクトメソッド:19世紀後半~20世紀初頭
文法訳読法の欠点が指摘され、ナチュラル・メソッドとダイレクトメソッドの教授法が生み出されました。
1.ナチュラル・メソッド
ナチュラル・メソッドは、幼児の母語習得に着目した教授法です。口頭による言語活動を重視します。
ナチュラル・メソッドの例には、(1)サイコロジカルメソッド、(2)ベルリッツ・メソッドがあります。
- サイコロジカルメソッド
- ベルリッツ・メソッド
2.ダイレクト・メソッド
ダイレクトメソッドは、20世紀初頭にヨーロッパで外国語教育の公認教授法となった教授法です。広義では「直接法」で、日本語で日本語を教える教授法です。
話し言葉を重視し、語彙や文法は帰納的に理解すべきという考え方を基にしています。
ダイレクト・メソッドには、(1)オーラル・メソッド、(2)アーミー・メソッド、(3)オーディオリンガル・メソッドがあります。
- オーラル・メソッド
- アーミー・メソッド
- オーディオリンガル・メソッド
3-1.学習者中心の教授法:1960年代~
学習者中心の教授法は、オーデイオリンガル・メソッドへの批判から、1960年代以降に主流となった教授法です。名前の通り、学習者が中心の教授法です。
学習者中心の教授法の例には、(1)コミュニカティブ・アプローチ、(2)タスク中心の教授法、(3)ナチュラル・アプローチがあります。
- コミュニカティブ・アプローチ
- タスク中心の教授法
- ナチュラル・アプローチ
3-2.ヒューマニスティックな教授法:1960年代~
ヒューマニスティックな教授法は、1960年代以降に生まれたもう一つの教授法です。
名前(ヒューマニスティック=人間主義的)の通り、生徒の言語能力の向上だけでなく、人間的な成長も目指す教授法です。
ヒューマニスティックな教授法の例には、(1)サイレント・ウェイ、(2)コミュニティ・ランゲージ・ラーニング、(3)TPR(全身反応教授法)、(4)サジェストペディアがあります。
- サイレント・ウェイ
- コミュニティ・ランゲージ・ラーニング
- TPR(全身反応教授法)
- サジェストペディア
まとめ
- 文法訳読法(19世紀半ば~20世紀半ば)
- ナチュラル・メソッド、ダイレクトメソッド(19世紀後半~20世紀初頭)
- 学習者中心の教授法(コミュニカティブ・アプローチ、タスク中心の教授法、ナチュラル・アプローチ)(1960年代~)
- ヒューマニスティックな教授法(サイレント・ウェイ、コミュニティ・ランゲージ・ラーニング、TPR(全身反応教授法)、サジェストペディア)(1960年代~)
ナチュラル・アプローチとナチュラル・メソッドは名前が似ていますが、時代も内容も異なるので注意が必要かもしれません。また、ヒューマニスティックな教授法は特に種類が多いです。